1999年保育園クリスマス会のお話 

こんにちは。神父様は、中田神父様と言います。名前を覚えてくれたかな?七五三のときも、こうしてお話ししましたね。

今日は、クリスマスのお話しをしたいと思います。クリスマスのときに、どうしても思い出してほしいことは、馬小屋で、イエズス様がお生まれになったということです。みんなの保育園には、クリスマスツリーを飾ったり、もしかしたら(もしかしなくても)サンタさんがやって来たりするかもしれません。

それでも、いちばんに思い出してほしいことは、イエズス様が、マリア様から生まれてくださったことなんです。イエス様が私たちのあいだに生まれてくださったことをお祝いするのが、クリスマスのいちばん大切なことなんです。

クリスマスがやってきて、イエス様のお誕生を毎年お祝いすると、みんなは、一年一年、神様の恵みと祝福がたまっていくことになります。そうですね。貯金箱に貯金がたまっていくみたいです。それでね、貯金箱に百円玉をためていくことにしましょうか。

最初のうちは、百円玉を入れると、「ちゃりん」とか、「ことん」とか、音がしますね。それがね、だんだん増えていくと、「ちゃりん」と言わなくなってくるんです。なんだかね、「どさっ」と言うような音に変わってくるんだよ。

そしてね、もっと貯金箱に百円玉がいっぱいになってくると、もう音もしなくなってきます。最後には、大きな貯金箱でも、もうぜんぜん入らなくなってしまうんですよ。すごいですね。

貯金箱、途中で使っちゃったら、また最初からやり直しだね。でもイエス様の誕生をお祝いするクリスマスは、毎年お祝いすると、イエス様からもらえる大きな喜びが、ぼくの貯金箱に「ちゃりん」「ことん」と音を立てて入っていって、そしていただいた喜びは、決して減らないんだよ。イエズス様はね、「今年も私のことをお祝いしてくれてありがとう。あなたに特別の喜びを貯金してあげましょう。この貯金は、絶対に減りませんよ」と言ってね、「ちゃりん」「ことん」と私の心に喜びを入れてくれるんです。

さて問題。私の心が、せまーい心だったら、イエズス様の喜びはどんどんたまっていくでしょうか?うーん、多分、すぐに入らなくなってしまうでしょうね。心がせまーいと、せっかくのイエス様の貯金も、すぐにいっぱいになって、ちょっとしかいただけないかもしれません。

もし、私の心がひろーい心だったらどうでしょう。きっと、イエス様の喜びをいただいて、もっともっと良い子になれるでしょう。イエス様の貯金がどんどんたまって、私の心は喜びにあふれるようになるでしょう。

皆さんは広い心を持っていますか?友だちと仲良くしたり、先生の言うことをよく聞いたり、みんなに元気よくあいさつしたり。そんな、誰からも喜ばれる広い心を持っていますか?だったら、今年のクリスマスは大丈夫。イエス様の誕生をお祝いして、イエス様が私の広い心に、神様の幸せを「ちゃりん」と入れて、貯金してくれるはずです。今年は馬小屋でお祈りするときに、耳を澄まして聞いてみてください。もしかしたら、音が聞こえるかもしれません。

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