主日の福音13/03/03(No.637)
第主日(ルカ13:1-9)
まことの神は忍耐強く、いつくしみ深い

浜串教会のミニバレーをしている女性陣を引き連れて、伊王島の婦人会のみなさんと試合をして交流を深めてきました。馬込教会のチームは長崎南地区のミニバレー大会で優勝をしたと聞いていましたので、やや身構えて試合に臨んだのですが、結果は浜串チームの圧勝でした。

第1セットこそエンジンがかからずにひやりとした場面もありましたが、あとは地力の差が出る一方の試合でした。それでも最後の試合では馬込教会チームからは84歳の選手がサーブに出て、浜串チームが動揺したのか、その選手で3点取ったりして大いに盛り上がりました。

今回の訪問を快く受け入れてくださった馬込教会の岡神父さま始め、婦人会のみなさん、役員のみなさん、そして何よりも応援してくれた伊王島のみなさんに、心から感謝したいと思います。

では福音の学びに入りましょう。「言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」(13・3,5)今週の朗読の前半部分で、2度も繰り返されています。 「似たような表現」というのではなく、「まったく同じ表現」なのですから、これは内容を強調していると考えるべきでしょう。

みなさんは、「悔い改めなければ滅びる」という呼びかけを使う人々と言ったらどんな人を思い浮かべるでしょうか。わたしは、世の終わりをことさら強調して信者を獲得しようとする新興宗教の人々を思い出します。ふだん平和に暮らしている人々の心を不安にさせ、自分たちを信じなさいと勧誘する人々です。この人たちはまことの神を知らないのに知っているかのような態度を取り、うっかり信じて来た人々を二度と正常な判断ができないようにしてしまいます。

しかし、イエスが「言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」と述べるのは、新興宗教の人々と同じように人々を不安にさせ、恐れで縛り付けるためでしょうか?決してそうではありません。イエスがこのように呼びかける目的はあくまで一つ、「悔い改めを促すため」です。たしかに悔い改めなければ滅びるでしょうが、神はどこまでも、人が悔い改めて立ち返ることを願っておられるのです。

イエスが「言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」と述べるのと、新興宗教の人々が述べるのとは、言葉は同じでもその意味はまったく違います。新興宗教の人々が滅びを強調するのに対し、イエスは悔い改めを強調します。新興宗教の人々が滅びを強調するのにはわけがあります。それは、自分たちの主張でだれかが悔い改めたとしても、その人々を本当の救いに導くことができないからです。

イエスが悔い改めを強調するのにも当然わけがあります。イエスは悔い改める人々を忍耐し、いつくしみで包み、迎えてくださるからです。イエスは人を本当に救うことができるので、恐れで人を縛ることはありません。

イエスの悔い改めへの招きに関して、わたしたちはすばらしい讃美歌を知っています。「主に立ち返れ、主に立ち返れ。主は恵みに満ち、あわれみ深い。主は忍耐強く、いつくしみに富んでおられる。主に立ち返れ、主に立ち返れ。主は恵みに満ち、あわれみ深い。あわれみ深い。」

今週の朗読の後半では、「実のならないいちじくの木」のたとえが語られています。朗読の前半で悔い改めを強調するイエスの思いはここでも受け継がれています。主人は、実がつくのを当然期待できる時期が来てからさらに三年待ち続けています。

ここには、神の忍耐が見えます。また農夫は、いちじくの木にいつくしみを示し、木の周りを掘って肥料をやってみますと答えます。まことの神は、滅びを強調せず、どこまでも人間の悔い改めを待っておられるのです。

大きな声では言えないのですが、伊王島での交流の翌朝、6時半からみんなで一緒にミサをすることになっていました。ところがわたしは久しぶりに伊王島の青年やお父さんたちとワイワイ騒いでお酒を飲み、そのあとひとりで信徒会館に寝たところ、ミサに寝坊してしまいました。

穴があったら入りたい気分でした。6時半に伊王島の議長さんが起こしに来てくれて、みなさんも忍耐して待ってくれました。わたしはあらゆる罰を受けてもしかたがない状態でしたが、ミサのために集まってくれた伊王島と浜串のみなさんを通して、滅びを強調せず、どこまでも人間の悔い改めを待ってくれる神さまの姿を見た思いです。

いちじくの木はわたしたちです。神はどんなに実のならない木であっても滅ぶことを望まず、忍耐しいつくしみを示すことで受け入れようと努力してくださいます。神の深い愛に、無条件に感謝しましょう。滅んでも仕方のない命さえも忍耐といつくしみで包んでくださる方に、この四旬節、何か1つでもお返しができるよう、目標を持ちましょう。
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‥次の説教は‥‥
四旬節第4主日
(ルカ15:1-3,11-32)
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