主日の福音12/12/24(No.625)
主の降誕(夜半)(ルカ2:1-14)
あなたの手の中に幼子を抱いて帰ろう

主の降誕、おめでとうございます。今年は、先週の木曜日に夜半のミサの説教が降ってきました。この日は夕方のミサがあり、保育園の園児たちもミサに参加します。園児たちもクリスマス会を終えて、救い主が生まれたベツレヘムでの出来事を考えるのにちょうど良い時でした。

わたしは園児のみんなに呼びかけました。「救い主が生まれた時、その場所でいちばんあたたかいものは何だったでしょうか。」質問が難しかったようですが、わたしはこう答えました。「馬小屋で、いちばんあたたかかったのは、御子イエスさまではないでしょうか。」

今まさに出産しようとしているマリアのために、宿屋も見つかりませんでした。ヨセフは、自分が犠牲になっても、マリアにだけはお産のために部屋を確保したいと努力したことでしょう。それでも願いは叶いませんでした。この時からすでに、あたたかい場所がなかったのです。

どのようにして見つけたのか、ヨセフとマリアは家畜小屋に入り、男の子を出産します。ただそこには、あると助かるような物は無かったのです。その場をあたたかくする暖炉も、お湯も無かったことでしょう。

その、あたたかくするものが何も無い場所に、救い主はお生まれになりました。生まれたての赤ちゃん、そこにあるすべての物の中で、いちばんあたたかい命だったことでしょう。準備の整っていないことを申し訳なく思っているヨセフとマリアにとっても、幼子は希望の光であり、心をあたたかくする存在だったのです。

今年のクリスマス、救い主の誕生を、「あたたかさをもたらすために救い主は生まれた」とまとめたいと思います。人々は皇帝に人口登録を命じられ、有無を言わさず命令の中に置かれていました。家畜の小屋しか場所を見つけることができず、社会の冷たさの中に置かれて、それでも救い主は、ぬくもりを届けるために、この世界にお生まれになったのです。すべての人が、幼子からぬくもりを感じるためにです。

わたしたちは、この夜半のミサを終えると喜びを胸に抱いて帰ります。その喜びは、イエスが届けてくれたものです。イエスが届けてくれたぬくもり、父なる神がお与えくださった最高の贈り物です。一人ひとり、生まれたばかりの赤ちゃんを手に抱いている姿を思い描いてください。布にくるまれ、布を通してでも十分伝わる幼子のぬくもりを想像してください。その幼子特有のぬくもりを、わたしたちは持ち帰るのです。

幼子を抱いている時、周りの人は何と声をかけるでしょうか。きっと、わたしにも赤ちゃんを抱かせてくださいと言うでしょう。わたしたちも、今日お生まれになった幼子を腕に抱いて帰り、出会う多くの人に幼子を抱かせてあげましょう。今日お生まれになった救い主の喜びを、出会う人に伝えることにしましょう。
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‥次の説教は‥‥
主の降誕(日中)
(ヨハネ1:1-18)
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