主日の福音12/07/29(No.602)
年間第17主日(ヨハネ6:1-15)
永遠の命を養うイエスに弟子たちも仕える
夏休み期間中、説教はなるべく堅信組の中学生に聞いてもらいたいので、堅信組の心構えと少し結びつけながら話しをしていきたいと思います。そして説教は必ずホームページやブログにも載せていますので、仮にミサに参加していなくても、「こうじ神父」という文字で検索をすれば、インターネットでわたしのブログやホームページが見つかりますから、そこで説教をチェックして夏休み期間中の補いとしてください。
今週の福音朗読は、「五千人に食べ物を与える」という奇跡物語です。この奇跡物語は、聖体の秘跡を考えるのにもってこいの話です。イエスは数え切れないほどの群衆を前にして弟子のフィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」(6・5)と質問しました。
ここでイエスは、集まっている群衆はみんな食べ物が必要な人だと考えています。食べ物が必要な人、別に必要でない人、いろんな人がいるのではなくて、集まっているすべての人が、食べ物が必要なんだとフィリポに考えさせているのです。それは、大震災に遭った東日本の人たちとか、大雨で被害を受けた福岡熊本大分の人々のような状態です。
質問されたフィリポも、集まっているすべての人が食べ物を必要としていることを理解しました。けれども、買いに行ったのではまったく足りないことも感じています。「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」(6・7)。
そこでイエスは、この数えることもできないような大群衆を食べさせるただ一つの方法は、ご自分が食べ物を与えることだと教えます。言葉ではなく態度で、「大麦のパン五つと魚二匹」(6・9)から、集まっているすべての人に食べさせることができるのはイエスただ一人なのだということを教えようとされました。
同じことは、今この時代にも当てはまります。日曜日の礼拝のために、わたしたちはここに集まりました。五人とか、十人ではありません。何十人も、あるいは百人以上の人が、ここに集まっています。そして集まったすべての人が、食べ物が必要なのです。
この集まったすべての人に食べさせることができるのはいったい誰でしょうか。主任司祭でしょうか。そうではなく、ここでもイエスが、ご聖体となってわたしたち全員の食べ物となってくださるのです。イエスがわずか五つのパンを取り、感謝の祈りを唱えてくださることで、わたしたち皆に、食べ物を用意してくださるのです。
一つ、ここで触れていないことがあります。それは弟子たちの働きです。イエスが数え切れないほどの群衆の食べ物を用意してくださるのですが、食べ物が群衆に確実に行き渡るためには、弟子たちの働きが必要になります。人々は草の生えた原っぱに座らせたままです。食べ物は弟子たちによって運ばれる必要があるのです。
わたしはここに、堅信組の中学生の働きが示されていると思います。堅信を受けている人、これから堅信を受けようとしている人は、今週の福音朗読「五千人に食べ物を与える」奇跡物語で、イエスだけが、数え切れないような人に十分な食べ物を与えてくださることを知りました。
学んだことは、実は学んで終わりではなくて、知らせに行く必要があります。数え切れないほどの人が、みんな食べ物を必要としています。それぞれが買いに行って食べる食べ物ではなく、買いに行っても手に入らない、永遠の命を養う食べ物が必要なのです。
人々はイエスが座らせて食べ物を待っています。それを届けるのは弟子たちです。イエスが食べ物を与えてくれる方だと学んだ人が、イエスが与える食べ物を配る必要があります。堅信組の中学生が、永遠の命の食べ物は、イエスさまが与えてくださると、数え切れないほどの群衆に知らせに行く。中学生が今の時代にもこの教えを届けに行くことが、期待されていると思います。
永遠の命を養う食べ物はこれです。ここに集まれば、永遠の命の食べ物にたどり着きますと、堅信組の中学生が知らせに行くことを、イエスは今期待しているのだと思います。
パンは無駄にならないように集められました。そして集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになりました。この集められたパンは、今日この時間に集まることができなかった人々に届けるためのものです。健康がすぐれなくて自宅にじっとしている人、病院に入院している人、いろんな理由にがんじがらめになって日曜日に教会に集まれなかった人のためにあります。
弟子である堅信組の中学生が、残ったパンがまだありますと、どれだけたくさんの人がイエスに食べ物を求めても、イエスはご聖体の秘跡となって、永遠の命を養う食べ物をくださいますと、知らせて回る必要があります。これは、堅信組の中学生にもできる働きです。
今週イエスさまは、五千人に食べ物を与える奇跡の物語で、ご自分が数え切れないほどの群衆に永遠の命を養う食べ物を与えるかたであることを教えられました。堅信組の中学生は、イエスがご聖体の秘跡となって、すべての人の永遠の命を養うことを知らせに行く必要があります。永遠の命を養う食べ物がここにありますと、知らせに行くことをイエスさまは期待しています。
聖霊の賜物に強められて、堅信組の中学生がイエスの弟子としてすべての人にご聖体が行き渡るように働くことができますように。ご聖体の秘跡を受けた堅信組の中学生が、残ったパンを必要としている人にも働きかけに行くことができますように。このミサのなかで恵みを願いましょう。
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‥次の説教は‥‥
年間第18主日
(ヨハネ6:24-35)
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