主日の福音06/07/23
年間第16主日(マルコ6:30-34)
「休みなさい」と仰る主が休みを与えてくれる

今日の福音でイエスは、「さあ、あなたがただけで人里離れたところへ行って、しばらく休むがよい」(6・31)と言われました。「休む」ことが本来の使命をよりよいものにすることを知った上での勧めだと思われます。子どもたちも夏休みに入りましたし、イエスが勧める「休息」についてあらためて考えてみたいと思います。

人間に休息が必要なことは誰でも分かっていることです。休みを入れずに仕事をすれば本人は体をこわしてしまいますし、仕事もはかどりません。仕事が進まないだけならまだしも、間違いが多くなったりやり直しになったりすれば意味がありません。適度の休息は、仕事をよりよいものにしてくれます。

さてイエスは、単に仕事の能率を考えて休むことを勧めたのでしょうか。もしそうだとしたら、それぞれの好みに応じて休むように次の仕事に備えるように指示をしたことでしょう。もちろんイエスはそんなつもりで休みなさいと言ったわけではありません。イエスは休む場所を指定しました。「人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」。もちろん私たちは、「人里離れた所」が何をさすのか、よく考える必要があります。

イエスが言葉に出して言われた「人里離れた所」で私がすぐに思い出したのは、イエスが朝早く人里離れた所に行って、祈っておられた場面です(1・35)。神と親しく語り合い、心に注ぎ込まれる霊的な力を蓄えておられたのでしょう。そこからすると、私たちが休みの間に本当に必要なことは、神と親しくなるための時間を持つことだということが分かります。

子どもたちは先週金曜日から夏休みに入ったのですが、終業式を終えた木曜日の晩に、一人の子どもから電話がかかりました。「明日は朝のミサありますか?」初め私は、日曜日でもないのにどうしたんだろうと勘違いしたのですが、その子は夏休みにはいるので早速朝のミサとラジオ体操に行くために確認を取っていたわけです。電話の途中で私はそのことに気が付きまして、おー、明日から頑張っておいでと声をかけました。

電話をかけた子は、聞けば朝ミサとラジオ体操が終わればすぐに戻って朝食を取り、さっそく朝の8時から部活が始まるのだと言っていました。考えてみたら学期中よりも厳しい起床時間になっているわけです。それでも兄弟揃って夏休みの初日、朝のミサに起きてきました。この子どもたちを通して、教えられる思いです。

イエスは休みなさいと言いました。それは休んで疲れるためではなく、単なる気晴らしでもなく、本来の自分の生活に力を蓄えるために、その力を得ることのできる場所に出向いていくということです。先ほどの電話をかけてきた子どもは、純粋に体を休めるつもりであれば、朝8時からの部活を目の前にして6時半のミサとラジオ体操に来ることは逆効果のはずです。けれども、本能的にでしょうか、夏休みに朝のミサに来ることが霊的な力を蓄えることになり、本業に力を発揮することを分かっているから、眠たい目をこすってやって来るのではないでしょうか。

「人里離れた場所」それは現代にあっては教会のことかも知れません。教会に足を運ぶとき、神と親しく過ごすことになり、神の恵みに潤されて帰ります。この教会に自分で足を向け、また人々に声をかけて誘い合うときに、私たちのふだんの生活に欠けているものを満たしてもらうことのできる場所はここしかないのだとあらためて確認できるのではないでしょうか。イエスが「人里離れたところ」と言って場所を指定したのは、むしろ神と親しくなる場所に行って休息を得なさいという意味だったのではないでしょうか。

ところで休む場所で休むことができないということほど無意味なことはありません。何が言いたいかというと、せっかく教会に来ることで神との親しさを十分に味わい、神の言葉と聖体に潤されて帰っていく場所が、神との親しさを体験させてくれない場所となっていたら、こんなに悲しいことはありません。説教する司祭は神と親しくなるためのヒントを提供すべきですし、誰もが典礼に参加しやすいように工夫したり、聖歌を心から歌って喜びを表すことができる。こうした休息を得るための良い環境がいつでも用意できていなければならないと思います。

教会に休みを求めて出かけてみたら窮屈な思いをした。よそ者扱いをされて二度と行こうと思わなかった。あなたはここに来るべきではないと言わんばかりの話を聞かされたなど。受けるはずの当然の恵みを受けられないとしたら、こんなに悲しいことはありません。休息を得られるはずの場所である教会を、説教する司祭は説教を毎週よく準備し、また典礼担当の人も心から奉仕するなどして常によい状態「神の休息を味わえる」という教会の姿を保ち続けたいものです。
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‥次の説教は‥‥
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(ヨハネ6:1-15)
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