主日の福音06/02/05
年間第5主日(マルコ1:29-39)
委員会に所属してイエスを行き渡らせよう

今週は、神の家族みなが、宣教活動のために役割を最低一つ引き受けるということを考えてみたいと思います。少なくとも一つは引き受けてもらいますので、ある人にはご苦労ですが二つ、あるいは三つ引き受けてもらいたいと思います。

さて、今日の説教の土台になっている箇所は二つです。一つは、人々が病気の人をイエスに取り次いだ箇所です。今週の朗読箇所の前半で次のように言われています。「シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した」それと「夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れてきた」とあります。

これらはつまり、人々が皆、何かイエスのお役に立とうとしたということです。先週の朗読で考えたとおり、イエスには他の学者たちにない神からの権威が備わっており、悪霊さえも言うことを聴くことを理解していました。人々はこの権威あるお方にいやしてもらいたい人を自分たちの身の回りで見つけ、自分たちが取り次いであげるなら、お役に立てるに違いないと考えたのです。一人ひとりが、自分にできることを考えるようになりました。

もう一つ、今週の説教の土台になっている箇所があります。後半部分でイエスは次のように言っています。「近くの他の町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである」イエスが行きたい場所は、目の前に見えている場所にとどまりません。一つの場所にとどまらず、いろんな場所に行き渡らせる必要があるのです。

この二つの箇所を土台にして、先週話し始めた「委員会を立ち上げて、教会活動を強力に推し進める」という話を続けたいと思います。先週は委員会の一つ、典礼委員会がまず必要だという話と、全体をまとめる頭脳に当たる小教区評議会が必要だという話でした。今日の説教で、委員会の全体像を示したいと思います。

今日の朗読で人々は病気にかかっている人をイエスに取り次ぎます。このようなお世話をするためには、小教区に信徒がどれくらいいるのか、男性は何人か、女性は何人か、把握しておく必要があります。男性女性とも、その中に病人がいれば誰かがそのことを報告して、お世話してもらうようにしなければなりません。

つまり、小教区には婦人会と壮年会が必要で、婦人会長・壮年会長は、小教区の会員の皆さんの状態を心にかけていただき、病人のお世話が必要な家庭があれば、神父様に来てもらったらいいですよと勧めてあげるとよいと思います。もちろん今のは一つの例です。婦人会・壮年会に皆が参加すれば、一人ひとりの状態を心に留めてあげるよいきっかけになると思います。

また、小教区全体に必要な問題には、建物の維持管理や、定期的に必要な支払や、経済問題に関わる部分があります。昨年一年間、聖体拝領するための小さなパンを純心聖母会から取り寄せましたが、たとえばこのパンとぶどう酒も、経費がかかっています。経済問題を引き受けることで、小教区の活動にお役に立ってもらうことも必要です。この役割は経済問題評議会が担います。

イエスは会堂で教えたわけですが、私たちも子どもであるか大人であるかを問わず、教えていただくことも必要です。そこで「宣教・信仰教育委員会」を立ち上げて、信仰を育てる効果が期待できる研修会の案内をしたり、時には小教区の中で信仰教育に貢献する企画を練ったりして、学びの場を用意してあげることができます。私たちはイエスに生涯教えていただく必要がありますし、そのための時間と場所は当然あるべきだと思います。ある意味で、司祭をどんどん働かせる役割と言ってもよいかも知れません。

次に、教会の中でこれこれの活動が予定されているとか、こうした勉強会が始まることになりましたとか、司祭も努めてお知らせをしていますが、ミサの後のお知らせだけですべてを済ませることはできませんし、年間を通してどのようなお知らせが伝えられたのかを把握しておくことも必要です。お知らせのことを尋ねられたときに、必要に応じて返事をするためには、司祭だけでは十分ではありません。このために、広報活動の係が必要だと思います。広報委員会は、小教区でお知らせすべき内容を把握して、小教区の皆に行き渡らせるお手伝いをします。

広報委員会のもう一つのお世話は、小教区内に存在する班という仕組みを把握し、うまく活用することです。各班には班長さんが決められていると思いますので、主任司祭は広報委員会を通して各班に伝えるべきことを伝え、各班からすべての信徒の皆さんに連絡が行き渡るという、しっかりした連絡網をこれからも維持していただきたいと思います。

他にも、私たちは身近な魂のお世話として、墓地の管理という大切な務めがあります。すでに墓地管理委員会が設けられていますので、この係を通して、墓地の維持運営にこれからも当たっていただきたいと思います。

こうして集められ、組織として組み合わされる委員会は次の通りです。この中に皆さん一人ひとりが所属して、少なくとも一役、ある人には二役か三役、お願いしたいと思っています。来週12日から、少しずつ委員会を招集して、委員会に任せられていることと活動の進め方などを一緒に勉強したいと思います。さらなるご協力をお願いいたします。

イエスは今も、私たちにこう呼びかけています。「近くの他の町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである」他の町や村を私たちの小教区で当てはめるなら、島内の隅々にまでと言ってよいかも知れません。島内の隅々までのことを詳しく知っているのは私ではなくて皆さんです。

きっと皆さんが一役ずつでも引き受けてくだされば、イエスをどんな隅にまででも届けることができるに違いありません。そしてあらゆる場にイエスの思いを行き渡らせるためには、一つの形ではなくて、いろんな形が必要です。さまざまな目的にかなった委員会のどれか一つに関わることで、イエスの思いが十分に行き渡りますように、またこれからの委員会活動に主イエスが共にいて力を与えてくださるように、ミサの中で心を合わせて祈っていきましょう。
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‥次の説教は‥‥
年間第6主日
(マルコ1:40-45)
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